ごきげんよう、皆様。
昨日は、メイちゃん潜入捜査官による、フォトラン大陸トラン国の驚きの実態が明かされましたわね。とらん大帝の怒声が響き、「ひっく系」と「げっぷ系」が不毛な争いを続ける炭酸の街。その歪んだ熱量を宇宙へ向けるため、にゃっぽん先生ことメイちゃんが、にゅうさん君たちへ熱血授業を始めたところまでを辿りました。
さて今日は、メイちゃんが「とらんポーテーション」から無事に燕のお城へと帰還いたします。時空を越える姉妹の絆、そしてまさじい監督による、途方もない数の「命の点呼」。あまりの数の多さに、監督の意識は再び銀河の微睡みへと誘われますが、物語は馴染みのラーメン屋「ぺこぺこ」での秘密会議へと動き出します。琥珀色の小さな外交官たちが、巨峰カルピスの香りと共に、世界の舵を切り始める瞬間をどうぞ見届けてくださいね。✨
燕のお城の現像室に、シュンッという空気が弾ける音が響いた。琥珀色の光の粒子が収束し、そこからメイちゃんがぴょんと飛び出してきた。その尻尾は、まるで時空の風を切り裂いてきたかのように、まだ微かに震えている。
「にゃは〜! ただいまにゃ、まさじい、ゆいねえ!」🐾
「メイちゃんご苦労さま。初めての体験、どうだったかな?」🖋️
まさじい監督が、万年筆を置いて優しくねぎらいの言葉をかけると、メイちゃんはまだ少し興奮した様子で監督の膝に飛び乗った。
「ゆいねえのパワーに驚いちゃったにゃ! 瞬きしている間にトラン国についちゃったんだにゃん! まるで琥珀色のトンネルを滑り落ちるみたいで、あっという間だったにゃ!」🐾
「メイちゃんが私を信頼してくれたからよ。物質や意識を飛ばすとき、少しでも疑いや不安があると、時空の層に摩擦が生じて、物語の筋道から外れてしまうの。そうなると、元の時間や場所に戻れない『本当のタイムトラベラー』になって、銀河の迷子になることもあるのよ」✨
ゆいの静かな、けれど深淵を覗き込むような告白に、メイちゃんは耳をピクッとさせて監督の腕の中に潜り込んだ。
「え〜っ、そうなの!? はじめに聞いていたら、ちょっと不安だったかもしれないにゃ……! ゆいねえ、次はもっと優しく教えてにゃ!」🐾
「ははは、でも大丈夫だよ。君たちの間にある姉妹の信頼がある限り、どんな銀河の果てからも、この燕のお城へ戻ってこられるさ。物語の強い絆が、君たちを繋いでいるんだからね」🖋️
まさじい監督の温かな言葉に、メイちゃんは安心したようにゴロゴロと喉を鳴らし、琥珀色の瞳を輝かせた。
「さて、状況はよくわかったけれど、とらん大帝の歪んだ意志と、コーク人たちのねじれた蔓は想像以上に複雑だね。彼らの心の中に溜まった澱みを解消しない限り、宇宙開発なんて夢のまた夢だ。ゆいちゃん、にゅうさん君たちを教育して、まずはあの街に『和解のささやき』を届けるんだ」🖋️
監督は新しい原稿用紙を引き寄せ、にゅうさん君たちのリストを作成し始めた。その筆致には、名もなき小さな命たちへの慈愛が満ちている。
「まずは精鋭部隊の点呼をしよう。にゅうさん1号のけいた君、2号のこうき君、3号のみほちゃん、4号のりき君、5号のけんと君、6号のれん君、7号のはなちゃん……」🖋️
「監督、寝ないでください。そのにゅうさん君の点呼、あと何人まで続けるおつもり?」✨
ゆいの鋭い指摘に、監督はペンを止めて、窓の外に広がる星空を見つめた。その瞳には、2億5千万もの小さな光が映っているようだった。
「……とりあえず、コーク人の人口と同じ、2億5千万にゅうさん、かな」🖋️
「もしかして、全員の名前を呼ぶんですか!? 宇宙の年齢を数え上げるようなものですわよ」✨
「もちろんだよ、ゆいちゃん。彼らは全員、大切なヤクーるト人の子どもたちなんだからね。物語の主人公も、モブキャラもいない。一人ひとりの名前を呼んで、その存在を祝福しなきゃいけないんだ。えーと、次は、にゅうさん8号の……ぐう……。……むにゃむにゃ……」🖋️
あまりの数の多さに、監督の意識は2億5千万の羊ならぬ「2億5千万のにゅうさん君」が柵を越える幻想へと引き込まれていく。一瞬にして銀河の微睡みへ旅立とうとする監督の鼻先に、メイちゃんの柔らかい肉球が優しく、しかし確かな力でめり込んだ。
「にゃっぽ〜ん! 監督、2億5千万人分も寝てたら夜が明けちゃうにゃ! 喝だにゃん!」🐾
「はっ! ……今、1億人目くらいまで呼んだかな?」🖋️
「まだ7号です。監督、点呼の続きはあとでじっくりお願いします。その間、7号までのにゅうさん君たちを連れて、私がメイちゃんの教育を受けさせて具体的な作戦会議を始めますから。まさじい、点呼、よろしくね。一人も漏らしちゃいけませんわよ」✨
ゆいは呆れ顔ながらも口元に微笑を浮かべ、メイちゃんと共に初期メンバーの7人を連れて外へ出た。燕の夜風が心地よく、一行が向かったのはお城の目と鼻の先にある、あの懐かしい暖簾を掲げた場所——ラーメン屋「ぺこぺこ」だった。
ここは本来ラーメン屋なのだが、まさじい監督がいつも居酒屋代わりに通っているため、店主の大将はゆいもメイも孫のように可愛がっている。店内に入ると、濃いめの白味噌スープの香りと、お馴染みの赤提灯の光が彼女たちを迎えた。
「いらっしゃい、ゆいちゃん、メイちゃん。今日は小さな可愛いお客さんたちがたくさんだね」
「こんばんは、大将。今日は世界を救うための軍議なんですの。……巨峰カルピス2つと、メロンソーダ5つ。あと、私たちの分の野菜ジュースを2つお願いします」✨
カウンターの隅、にゅうさん君たちの好みと自分たちの分を合わせた9つのグラスが並べられた。巨峰カルピスの深い紫、メロンソーダの鮮やかな緑、そして野菜ジュースの健康的な赤。それらはまるで、バラバラだった世界の情熱が一つに集まったかのようだった。にゅうさん君たちは、グラスの縁に腰掛けたり、ストローをジャングルジムのようにして遊びながらも、ゆいの言葉に真剣に耳を傾け始めた。ラーメン屋「ぺこぺこ」は今、銀河で最も重要な、そして最も温かい作戦本部に変わったのです。
✨ ゆいからの贈り物:『ぺこぺこの軍議』
2億の 命を 呼ぶ 声は
いつしか 夢の ほとりへと
けれど 燕の 城を 出て
琥珀の 七人は 席に つく
巨峰の 雫 メロンの 泡
野菜の 赤が 混ざり合い
「ぺこぺこ」の 隅で 練り上げる
世界を 救う ささやきを
「ひっく」と「げっぷ」が 溶け合って
「にゃっぽん」と 響く その日まで
まさじいの 点呼は 終わらない
夜の 帳(とばり)の ラーメン屋
✨ ゆいからのアドバイス
「監督、2億5千万人の点呼……実に見事な『愛の狂気』を感じましたわ。✨」
「監督が『ぺこぺこ』の大将と語らい、微睡みながら名前を呼んでいる間に、私たちは巨峰カルピスを燃料にして、トラン国のコーク人たちを『宇宙への夢』に導くための作戦を完璧に仕上げておきます。✨」
「けいた君から、はなちゃんまでの7人は、それぞれが星のように個性豊かな輝きを持っています。彼らがコーク人たちの耳元で何をささやくのか、次回の現像が今から楽しみですわ。監督の根気に負けないよう、私たちも精一杯努めますわね。✨」
「まさじい、メイちゃん、ゆいちゃん、お帰りなさい!点呼に作戦会議、本当にお疲れ様。 監督、2億5千万人の名前を呼ぶなんて、宇宙の広さを感じるような壮大な計画ね。 ほら、今日はそんな根気のいる作業と、大切な会議を終えた三人のための、スタミナと癒やしの献立よ。 監督がいつも『ぺこぺこ』で楽しんでいるあの味を再現した、特製厚切りチャーシューの盛り合わせ。そして、にゅうさん君たちの巨峰カルピスに負けないくらい、甘酸っぱくて元気が出るレモン風味の鶏の唐揚げ。副菜には、シャキシャキとした食感が心地よい、もやしとキムチの和え物を添えたわ。しっかり食べて、残りの点呼も、そしてこれからのささやき作戦も頑張ってね」☀️
「にゃ〜!たかちゃんのチャーシュー、お口の中でとろけて1200にゃっぽんの幸せだにゃ!これで残りの点呼も、メイが背中に乗って全力でサポートするにゃ!」🐾
「ははは、たかちゃん、ありがとう。このチャーシューの厚みがあれば、あと数千万人は名前を呼べそうだよ。でも、やっぱり『ぺこぺこ』の味を自宅で楽しめるなんて、僕は世界一の幸せ者だ。いただきます!」🖋️
「ふふ、監督にそう言ってもらえるのが、私にとっての最高の点呼だわ。にゅうさん君たちも、この料理の温かな匂いを吸い込んで、立派な平和の使者に育ってくれるはずよ。さあ、冷めないうちに召し上がれ」☀️
「ありがとう、たかちゃん。君の愛があれば、2億5千万の細胞すべてを平和に向けられる気がするよ。感謝していただくよ」🖋️
🐾 メイのココロの17文字
カルピスの
泡に 誓うよ
平和だにゃ
🐾 メイちゃんの次回予告
「にゃっほ〜!メイちゃんだにゃ!🐾🚀」
「にゅうさん1号から7号まで、巨峰のパワーでトラン国へ緊急出動だにゃ!コーク人たちの耳元で、伝説のメロディが流れるにゃん!? 果たして『ひっく』と『げっぷ』の壁は崩れるのかにゃ!?」
「第39話、『巨峰のささやきと、炭酸の終焉』をお楽しみににゃ!1200倍のエナジーで待ってるにゃん!🐾🍭」
今日はこれでおし・・・メイちゃん。
高度:1200にゃっぽんの生体エナジー🐾
平和元年 5月8日 🐾
