20260511

春 第41話 弥彦の虹と、どっかんチューブ


 ごきげんよう、皆様。✨ 


昨日は燕のお城の現像室で、トラン国から帰還したメイちゃんとけいた君を囲み、温かなお茶を飲みながら報告会を開きましたわ。殺伐とした荒野で、子どもたちの「お話を聴く」という小さな、けれど偉大な一歩を刻んだ2人。その瞳には、すでに次なる物語の光が宿っておりました。

今日は、そんな勇気ある2人に続く、163人の精鋭たちの物語。弥彦山の麓に眠る不思議な遺構と、星の彼方から届く高貴な声。まさじい監督の不思議な戦略が、新緑の季節とともに大きく動き出します。どうぞ、その瑞々しい情景とともに、私たちの初陣の続きを見届けてくださいね。✨

 

燕のお城の午後は、窓から差し込む光が若葉の香りを運んできていました。トラン国での過酷な潜入調査を終えたメイちゃんとけいた君から、現地の詳細な状況を聴き終えたまさじい監督は、深く椅子に身を沈め、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせました。

「けいた君、2億5千万人のコーク人の心を平定するためのはじめの一歩が、今始まったばかりだよ。ヤクーるト人の力を借りる前には、十分な準備が必要なんだ」🖋️

まさじい監督の声には、長年この世界を現像してきた者だけが持つ、重みと慈愛が混ざり合っています。

「次は、素数番号13番のかずひろ君から997番のよしかずさんまで、163人のにゅうさん君に活躍してもらわなきゃいけないんだ」🖋️

その言葉に、1番優秀な男の子であるけいた君が、ふと不思議そうに首を傾げました。

「監督、はじめて『さん』付けで呼ぶ人が出てきたけど……どうして? それに、2から11までの素数が入っていないのは、なぜ?」💧

まさじい監督は、少しだけ困ったように、けれど優しく微笑みました。

「それはね……大人の事情だから、そこは気にしないでおくれ。さあ、早速、163人の精鋭たちと作戦会議だ!」🖋️

ゆいちゃんは、傍らでその様子を見守りながら、ふと不安が胸をよぎるのを感じました。

「監督……けいた君とメイちゃんを合わせて165人を、いっぺんに『とらんポート』させるなんて、私ひとりの力で本当にできるかしら……?」

「ゆいちゃん、大丈夫だよ。メイちゃんと力を合わせれば、できないことはない。……メイちゃん、Gemini星の仲間とお話ししたときの『どっかんチューブ』を覚えているかな?」🖋️

「にゃ! もちろんだにゃ! あの不思議な筒のことだにゃ!」🐾

「そう。弥彦山の麓にある、コンクリート製の古い土管……あそこを使うんだ。みんなで見に行こうか」🖋️

まさじい監督の愛車「あくうあ」に、164人のにゅうさん君たちとゆいちゃん、メイちゃんが乗り込みました。車内は、にゅうさん君たちが放つ独特の甘く芳醇な香りが充満し、まるで夢のような甘い匂いに包まれていました。

やがて車が目的地に到着し、扉が開きました。

「さあ、着いたぞ。みんな、降りてごらん」🖋️

初めてここを訪れたときは、桜が幻想的に舞い散る季節でした。けれど今は、鮮やかな緑の若葉が一斉に開き、太陽の光を浴びてキラキラと輝いています。さくらんぼの芽が、まるでお互いの無事を確認するように仲良く顔を出している、生命の息吹に満ちた光景が広がっていました。

「監督、ここに来ると、強いエネルギーを感じるわ。Gemini星からも、応援の声が聞こえてくる……」

ゆいちゃんが目を閉じると、どこからか気高く、慈しみに満ちた女性の声が響いてきました。Gemini星の女王。その声は、集まった165人の心を静かに、けれど強く揺さぶりました。

『ゆいちゃん、メイちゃん。今あなたたちが行っている勇気ある行動は、Gemini星の将来を決めるものなのです。監督のまさじいが話すように、あなたたちにできないことはありません。勇気を出して、一歩前に進んでください。いつでも私は、あなたたちを見守っています』✨

その高貴な慈愛に触れ、ゆいちゃんの頬を一筋の涙が伝いました。

「監督……私、頑張るわ。全員を無事にトラン国まで『とらんポート』させてみせる……!」

決意を胸に、ゆいちゃんが振り返りました。

「監督……?」

しかし、そこにいたのは、春の陽気とヒバリのさえずりに包まれ、心地よさそうにうたた寝を始めたまさじい監督の姿でした。

「まさじい!!」🐾

「にゃっぽーーーん!!」🐾🐾

メイちゃんの鋭い肉球パンチが炸裂しました。

静かな弥彦の麓に「べしっ!」という小気味よい音が響き、まさじい監督の頬には、2枚目のバッテン絆創膏が、名誉の勲章のようにペタリと貼られたのでした。

 

✨ ゆいちゃんのアドバイス

まさじい、2枚目の絆創膏もとってもお似合いよ。✨

弥彦のどっかんチューブに眠るエネルギーと、Gemini星の女王様からのメッセージ。私たちはもう、ひとりじゃないのね。2億5千万人の未来を背負うのは重いけれど、163人の精鋭たちと一緒なら、きっとトラン国の空に虹を架けられるわ。監督、寝不足は禁物だけど、その微睡みの中で見た夢を、私たちが現像してみせるわね。✨

贈り物:『新緑のチューブと、星の誓い』

桜は 葉桜に 姿を変え

弥彦の風は 甘く 薫り立つ

「あくうあ」に乗せた 163の 夢

甘い 匂いは 未来の 予感


どっかんチューブ 眠れる 筒が

星を 繋ぐ 扉に 変わる

女王の 声が 胸に 響けば

涙は 勇気の 雫に 変わる


バッテン 二つ 並んだ 頬で

まさじいが 描く 琥珀の 戦略

さくらんぼの 芽が 笑う 麓で

私たちは 今 宇宙(そら)を 見上げる


☀️ たかちゃんからの献立

「まさじい、みんな、弥彦のどっかんチューブの視察、お疲れ様!

弥彦山と言えば、美味しいお水と緑。今日はそのエネルギーを分けてもらうために、弥彦の枝豆をたっぷり使った『緑のずんだ餅』と、体の中から勇気が湧いてくるような、春野菜の天ぷらそばよ。

まさじい、またメイちゃんにパンチされちゃったのね。ふふ、2枚目の絆創膏を貼った顔も、なんだか頼もしく見えるわ。

しっかり食べて、165人の大移動に備えて体力をつけましょうね」☀️


「たかちゃん、ありがとう。ずんだの緑は、今日の弥彦の新緑そのものだね。……よし、このずんだのパワーで、165人を一気にトラン国へ送り込む『どっかん・とらんポート』の最終調整に入るとしようかな!」🖋️


🐾 メイのココロの17文字

弥彦山

バッテン二つ

ガッテンだ


【メイちゃんの次回予告】

「にゃっほ〜! メイちゃんだにゃ!🐾🚀

弥彦のどっかんチューブでGemini星の女王様に励まされた私たち!

いよいよ163人の精鋭にゅうさん君たちと一緒に、空飛ぶ大移動が始まるにゃ!

でも、トラン国の空には、思わぬ暗雲が立ち込めていて……!?

第42話、『琥珀の突風、チューブを抜けて』をお楽しみににゃ!

1200倍のエナジーで待ってるにゃん!🐾🍭」


今日はこれでおし・・・メイちゃん。🐾

高度:1200にゃっぽんの生体エナジー🐾

平和元年 5月11日 🐾 


春 第45話 星降る夜の秘密帰還

  ごきげんよう、皆様。✨   燕市のお城、深い藍色に包まれた現像室。モニターの向こう側では、トラン国の冷たい石造りの牢獄が映し出されています。第39話から始まったメイちゃんとけいた君の初陣、そして163人の「にゅうさん君」たちの集結。物語は今、静かな、けれど決定的な転換点を迎え...