燕市のお城の現像室に、初夏の瑞々しい青空から柔らかな光が差し込んでいました。カレンダーは平和元年6月20日。最新型ぷっちんポートでの緊迫した大一番を終えたまさじい監督は、そのままコボルン国の最前線へとピョコンと案内されました。そこは大帝の作戦本部の一角にある、お城のゲストルームにも負けない立派な貴賓室でした。
異国の地で始まる若き兵士との新しい絆の現像フィルムと、その後に「時間の余裕」を持って戻ってきたお城の食堂での、ポカポカとした驚きのカットを、どうぞ心ゆくまでご覧あそばせ。✨
さあ、今日のお話し、始まるわよ。まさじい監督、今度は余裕を持ったタイムスケジュールで、未来のフィルムを現像していきましょうね。
【ペレスト村の貴賓室:「閣下」はやめてカントクで】
まさじい監督がメイちゃんを肩に乗せて立派な貴賓室に入ると、大帝の部下である一人の若い兵士が、緊張で背筋をピンと伸ばしながら恭しく頭を下げました。
「閣下、明日は大帝がウクライにゃ軍事作戦の指揮を執られるため、晩餐会の直前までお会いできないとのことです。大帝が不在の間、わたくしが閣下をお好きな場所にご案内いたしますが、いかがいたしましょうか?」
若き兵士は、左右70キロの握力を持つというこの謎の東洋の有段者に対して、すっかり畏まっています。その様子を、まさじい監督はいつものようにニコニコとした等身大の笑顔で静かに聞いていました。そして、翻訳機のボタンをポンと押すと、実にお茶目で瑞々しいお声でこう切り返したのです。
「閣下はやめて。か、まであっているけど、カントク、って言ってくれる?それと、君の名前は。」
「か」まで合っているという監督の突然のユーモラスな言葉遊びに、若い兵士は一瞬目を丸くして戸惑いましたが、監督の放つポカポカとした優しいオーラに、張り詰めていた肩の力がふっと抜けていくのを感じていました。彼は再び胸を張り、今度は少し誇らしげに名乗りました。
「はっ、かしこまりました。か、カントク……!わたくしはコボルン国のペレスト村出身、ゴルバっちスキーと申します。」
【ゴルッちとのガッチャンコ:余裕のスケジュール】
「ゴルバっちスキー君か、いい名前だね」と頷いたまさじい監督ですが、彼の生真面目すぎる敬語を聞いて、悪戯っぽく微笑みながらさらに言葉を重ねました。
「う~ん、その言い方、まだちょっと固いね。『ハ~イ、カントク、ボクの名は、ゴルッち、って呼んでちょ』くらいの感じがいいかな。」
「ゴ、ゴルッち……、って呼んでちょ、シカ……!?」
コボルン国の軍隊ではあり得ないそのあまりにもフランクで温かい呼びかけに、兵士はすっかり呆気に取られてしまいました。思わず手元の翻訳機を見つめると、機械からは大音量で「・・・・マトリョウシカ。」と、なんとものんびりとした電子音が響き渡り、貴賓室の重たい空気を一瞬でポカポカとした和み空間へと現像してしまったのです。
すっかり監督の等身大のペースにガッチャンコと巻き込まれたゴルッち君は、「カントク、面白い方ですね……」と、ついにその若い顔に優しい笑みを浮かべました。
かつて大皇帝(とらんちゃん)の作戦の時には、時間がギリギリになってしまって現像室のゆいちゃんたちをハラハラと大慌てさせてしまった苦い教訓があります。用意周到なまさじい監督は、今回はしっかりと大人の余裕を持って、未来のフィルムを組み立てることに決めていたのです。
監督は、ふかふかのベッドに腰を下ろしながら、優しくゴルッち君を見つめました。
「ゴルッち、じゃあ、明日の9時30分に起こしてくれるかな。晩餐会の前に、ぷっちゃんが戻るのを余裕を持って待ちたいからね。」
「はっ、カントク!明朝9時30分に、最高のペレスト村特製ハーブティを持って起こしにまいります!」
ゴルッち君は、今度はすっかり心を通わせた笑顔で爽やかに応じました。異国の地での大決戦の夜、まさじい監督の優しいタクトは、敵の兵士の心までも最高のポカポカな紲(きずな)へと現像し直していたのでした。
【食堂の驚きと温かい晩御飯:露知らずの黒帯司令官】
ゴルッち君に余裕のスケジュールを伝えて安心したまさじい監督は、たかちゃんの美味しい晩御飯をお腹いっぱいに食べるため、一度ぷっちんポートでお城の食堂へと戻ってきました。最新型の転送システムは、時空を超えてお城のぬくもりと敵陣をいつでもガッチャンコと繋いでくれるのです。
食堂のテレビ画面には、突如として「NHP速報」の文字が激しく明滅していました。「ああら、まさじい!テレビを見てごらんなさいな!」と、たかちゃんが驚いて声を上げ、ゆいちゃんやりき君も画面を凝視しています。
ニュース画面の真ん中には、なんと、まさじい監督から贈られたばかりの真っ白な「ジュウどう着」に堂々たる「黒帯」をキュッと締めたままの姿で、大勢の部下たちに囲まれてウクライにゃ軍事作戦の司令を出しているぷっちん大帝の姿が映し出されていたのです。祝勝会の延長らしく、大帝の顔には自信に満ち溢れた、実に印象的な笑顔が浮かんでいました。大帝は、自分たちが用意周到に準備してきた新型兵器が敵国を壊滅させていると露知らず、満足げにふんぞり返っています。実はその兵器が「ミるんミるんの奇跡」へと現像され、敵国の動物たちのお腹を健やかに整えて大地を潤しているとも知らずに……。
「ふふふ、ぷっちゃん、テレビ映りがいいね。黒帯がよく似合っているよ。」
まさじい監督は楽しそうに目を細めながら、みんなと一緒に食堂の円卓を囲みました。たかちゃんが厨房からパタパタと忙しく運んできてくれたのは、お庭の採れたて野菜がたっぷり詰まった、揚げたてサくりサくりの「ポカポカ春巻き」と、燕市産の炊きたて新米、そしてお腹の底からエナジーがじんわり湧き出る特製の「ぬくもりスープ」でした。
「はい、まさじい、作戦の成功おめでとう!どんなに遠く離れた異国でドキドキする大勝負をしてきたって、このお城の温かいお料理を食べれば、細胞のひとつひとつにポカポカの絆が1200にゃっぽんフルチャージされるんだから!」
「おお,やっぱりお城のご飯は最高だねぇ」と監督が春巻きをパリッと頬張ると、現像室の緊迫感は一瞬にしていつもの優しいぬくもりへと反転していきました。お腹もココロもポカポカに満たされたこの晩御飯のカットが、第81話のフィルムをどこまでも愛おしく締めくくっていたのでした。
✨ ゆいからのアドバイスと贈り物
「まさじい監督、ゴルバっちスキー君を『ゴルッち』と名付けて一瞬で味方にガッチャンコした後の、このお城の食堂のラストカット、本当に最高にポカポカする現像になりましたわね。✨ 大帝がご自身の黒帯を締めて笑顔を見せているNHP速報を眺めながら、たかちゃんの美味しい春巻きとぬくもりスープをみんなで囲む……この日常のぬくもりで終わる構成こそ、お城の物語の美しいピントですわ。大帝が『露知らず』にふんぞり返っているユーモアも、最高のスパイスです。明日の凱旋晩餐会フィルムも、余裕のスケジュールで美しく定着させましょうね。✨」
贈り物:『貴賓室の笑顔、お城の円卓の湯気』
「閣下」とは 呼ばないでおくれ カントクと
ゴルッちの名の 緊張を解く
九時半の 朝の光を 待ちながら
余裕のフィルム 貴賓室(へや)に現像(うつ)さん
ポートにて 戻りしお城の 食堂に
大帝の笑顔 ニュースに映る
黒帯を 着たる司令を 眺めつつ
大地を潤す 奇跡を露知らず
パリパリと 春巻き頬張る ぬくもりに
今日のご飯で 紲(きずな)フルチャージ
🐾 メイのココロの17文字
パパとおうち
よるのごはんは
はるまきだにゃ🐾
【次回予告:初夏の花々連作・第十四弾:暁の晩餐編 〜笑顔のガッチャンコ:ゴルッちのハーブティと、大帝の黒帯凱旋晩餐会!〜】
平和元年 6月20日、朝9時30分。ゴルッち君の運んでくるポカポカのハーブティの香りで目覚めるまさじい監督。一方、ウクライにゃの大地がなぜか大豊作になっている報告を受け、自分の軍事作戦が大成功したと勘違いしてご満悦で凱旋してくるぷっちん大帝!いよいよ、黒帯を締めた大帝と、監督が最高の祝杯を交わす「暁の晩餐会」の幕が開きます!
次回、第82話。ウォッカとお茶の器がガッチャンコと重なり、コボルン国の歴史が最も平和に現像される瞬間がやってきます!どうぞご期待ください。
(ト書き:お城の食堂でたかちゃんの春巻きを美味しそうに食べ終え、お茶をズズッとすすってホッと一息ついているまさじい監督。その足元では、メイちゃんが「パパ、今日のご飯も宇宙いち美味しかったにゃ🐾」とお腹を上にしてゴロゴロ転がっていました。テレビの向こうでは大帝がまだ黒帯を自慢げに撫でており、それを見つめるゆいちゃんとりき君の笑顔が、燕市の穏やかな夜空の下、ポカポカとした幸福なフィルムとしてどこまでも優しく現像されていました)
今日これでおし・・・メイちゃん。🐾
高度:1200にゃっぽんの空間転送生体エナジー🐾
平和元年 6月20日 🐾