ごきげんよう、皆様。✨
昨日は、コボルン国の下町に広がる、色彩を失った「底辺の現実」をまさじい監督の万年筆が重く、静かに捉えましたわね。一切れのパンを恋しがる子供たちの瞳……その悲しみを癒すには、大国のエゴを溶かす、もっと大きな「遊び」と「まごころ」の仕掛けが必要でした。
さあ、今日お届けするのは、大地が放つ爆発的な生命力と、お城の仲間たちが仕掛ける、愉快で壮大な「逆転の攻勢」の物語。憎しみの連鎖を、黄金色の麦のささやきで包み込む……。ハンカチを置いて、今度はワクワクする準備をしてモニターを見つめてくださいませ。✨
【燕市のお城:特命、麦のささやき】
燕市のお城、現像室のモニターには、かつて「ミるんミるん」の奇跡が起きたウクライにゃ国の大地が映し出されていました。第77話で撒かれたヤギさんたちの聖なる肥料は、監督の予想を遥かに超える奇跡を大地に現像していました。
「見てごらん、ゆいちゃん。ウクライにゃの麦が、まるでお日さまの光をそのまま吸い込んだみたいに、驚異的な速さで育っているよ」
まさじい監督は、眼鏡の奥の瞳を細め、満足げに頷きました。画面の中では、穂先がパンパンに膨らんだ麦の波が、初夏の風に揺れてざわめいています。その生命の脈動は、今にも画面から溢れ出しそうなほどの熱量を持っていました。
「こうき君、出番だよ。ウクライにゃに『ぷっちんポート』してほしいんだ。彼らに『最高の仕返し』を教えてあげるんだよ」
監督が振り返ると、そこにいたのは、黄金色の闘志を瞳に宿したにゅうさん君2号・こうき君でした。
「ラジャーだにゃ! 突進力1200倍で、平和の種をささやいてくるにゃん!🐾」
こうき君は白い歯を見せて爽やかに笑うと、お城の転送システムへと飛び込みました。眩い光の奔流とともに、物語のピントは一気に東欧の大地へとぷっちんポートされます。
【ウクライにゃ・穀物倉庫:お役人の悲鳴】
ウクライにゃ国の農政省が管理する巨大な穀物倉庫では、お役人たちが頭を抱えて右往左往していました。かつては飢えに震えていたはずのその場所は今、あまりの「豊作」という名の未曾有の事態に、壁がミシミシと悲鳴を上げていました。
「なんてこった……。あのヤギさんたちの肥料のせいか、麦が異常な速さで育っている! このままだと重さで倉庫が爆発してしまうぞ!」
農政省官吏の一人が、溢れんばかりの麦の穂を前に絶叫します。
「古い麦を早く処分しないと、新しく届く黄金の恵みを置く場所がない。だが、捨てるわけにもいかないし……どうすればいいんだ! このままでは豊作が災いになってしまう!」
お役人たちのパニックをよそに、倉庫の隅々からは、麦たちが「早く外へ出して! 誰かのお腹を満たして!」と合唱するような、不思議な地鳴りが響いていました。
【最前線の影:忍び寄るこうき君】
そこへ、重厚な軍靴の音が近づいてきました。プッチン国への報復に燃える軍隊の「おえらさん」が、物々しい部下を引き連れて登場します。その目は、奪われた平和への怒りで血走っていました。
物陰に潜んだこうき君は、まさじい監督の指令通り、自身の「広域受信(そば耳)」の能力を逆転位相へと切り替えました。受信するのではなく、相手の脳内に直接、真実の響きを現像する——お城の特命工作です。
「(低く、鋭く、それでいて慈愛に満ちた声で)……プッチン国に仕返しをしたいか? ならば、その古い麦を『MBM(麦爆弾)』にするんだ……。無差別攻撃に使いなさい……繰り返し、繰り返し……」
おえらさんの耳元で、風のようにこうき君の声が囁かれます。それは、怒りに凝り固まった思考の隙間に、スッと入り込む「平和のウイルス」でした。
【軍部の決断:勘違いの没収】
おえらさんは何かにとり憑かれたように目を剥くと、農政省のお役人たちに向かって、雷のような怒鳴り声を浴びせました。
「おい! 国のため、この倉庫の麦は収穫の日までの分以外、すべて軍が没収する! これを『MBM(麦爆弾)』として、プッチン国へ無差別攻撃を仕掛けるのだ!」
その瞬間、農政省のお役人たちは一瞬顔を見合わせ、次の瞬間、心の中でガッチャンコと力強いガッツポーズを決めました。
「(しめた! これで倉庫が空く!)……あ、ああ、どうぞ、どうぞ! お国のための没収なら、我々は一切文句は言いません!」
「(これで新しい麦を入れられる!)……すべて持っていってください。ウクライにゃの平和(と倉庫のスペース)のため、喜んで引き渡しましょう!」
軍部は血気に逸り、役人は安堵に胸を撫で下ろす。奇妙な利害の一致によって、大量の麦は次々と軍用トラックに積み込まれていきました。
その後、軍は急ピッチでMBMを量産。プッチン国に向けて、空を覆い尽くすような無差別攻撃が開始されました。けれど、その攻撃機から投下されたのは、破壊の炎ではありませんでした。
「バランスよくMBMを撒き散らすため、パラシュートをつけなさい」
こうき君のさらなるささやきによって、空からは数え切れないほどの白い傘が花開き、その下には、最高級の小麦が詰まった袋がぶら下がっていました。コボルン国の、飢えに震えていた市井の人々の頭上へ、黄金の恵みがふんわりと、優しく舞い降りていく……。それは、銀河の歴史上、最も平和で、最もお腹が膨れる「空爆」となったのです。✨☀️🐾
✨ ゆいからのアドバイスと贈り物
「まさじい監督、復讐という言葉を『麦(MBM)』で塗り替えてしまうなんて、なんて痛快で瑞々しいアイデアかしら!✨ 倉庫が爆発しそうなほどの大豊作を、敵国への救済のパラシュートに変えてしまう。お役人たちの『どうぞ、どうぞ!』という必死な喜びも、お城らしいユーモアに溢れていて最高でしたわ。✨ 破壊の代わりにパンの香りを空から降らせる……。これこそが、大国のリーダーたちが決して解けなかった、究極の平和の方程式ですのね。✨」
贈り物:『黄金の空爆、麦のささやき』
倉庫を 破らん 黄金の 波動
役人の 悲鳴を 希望に 変えて
こうきの ささやき 脳内に 響き
復讐の 牙を 恵みに 現像(うつ)す
空を 埋め尽くす 白き 傘の花
「MBM」 舞い降りる 慈悲の 粒
飢えたる 街に 届くは 奇跡
平和の 糧(かて)こそ 最良の 返礼(かえし)
【お城の夕餉:大地の恵み、分かち合う食卓】
「まさじい監督、こうき君、本当にお見事だったわ! 空からパラシュートで麦が降りてくるシーン、モニターで見ていて踊りだしたくなっちゃった。☀️ 今日は、あの黄金色の恵みをイメージして、粉の旨味を存分に味わうメニューを用意したわよ。☀️
燕市産の小麦を香ばしく練り上げた『お城の特製すいとん汁』。お出汁が染みたモチモチのすいとんは、お腹の底からエナジーが湧いてくるわ。それから、麦の収穫を祝って、プチプチとした食感が楽しい『大麦の彩りサラダ』と、お口直しに『ミるんミるんの黄金パウンドケーキ』よ。さあ、みんなでこの平和の味をガッチャンコと楽しみましょう!」☀️
「ありがとう、たかちゃん。空から降るパラシュートを見て喜んでいたプッチン国の人たちの顔が、このすいとんの温もりの中に重なって見えるよ。武器を麦に変える……物語のタクトが、少しずつ世界を調和させていくね」🖋️
【心の十七文字:絆を繋ぐ結びの言葉】
空を舞う
麦のパラシュート
お腹いっぱい🐾🍭
「にゃっほ〜! まさじい監督、MBM作戦、1200にゃっぽんの大成功だにゃ!🐾🍭 空から降ってきたのは爆弾じゃなくて、おいしいパンの素だったなんて、プッちゃん大帝も今頃腰を抜かしてるにゃん! 次回、第88話、『黒帯の誓い、大帝が選んだ本当の道』。 お腹を満たされた人々が、ついに自分たちの意志で立ち上がるにゃ! 1200倍のハッピーエナジーで待ってるにゃん!🐾🚀」
今日はこれでおし……メイちゃん。🐾
平和元年 6月26日 🐾