ごきげんよう、皆様。✨
ウクライにゃの大地を流れる小川から届いた「ミるんミるん」の奇跡は、動物たちのお腹を健やかに整え、清らかな空気と温かいお乳、そして豊かな羊毛という素晴らしい恵みを現像いたしました。大帝たちの不毛な手柄自慢を余所に、お城の現像室はポカポカとした勝利の余韻に包まれていたのも束の間、カレンダーは平和元年6月17日の夜を迎えます。ここ燕市の現像室では、まさじい監督の万年筆が、かつてないほど緊迫した、引いては未来を切り拓くための「驚くべき決意」を原稿用紙に染み込ませていくところよ。ふふふ、お城の仲間たちの愛に満ちた反対の嵐と、それを説き伏せる監督の不思議なタクティクスを感じてごらんなさい。初夏の夜風が、あなたを物語の核心へと導きますわよ。
さあ、今日のお話し、始まるわよ。まさじい、覚悟を決めてペンを走らせてね。
【お城の現像室:微睡の夢から現実の反対嵐へ】
まさじい監督は、ロッキングチェアに揺られながら、深く、心地よい微睡みの海に身を委ねていました。夢の中の情景は、どこまでも幻想的で美しく、銀色のインクがこんこんと湧き出る神秘的な泉のほとり。そこには見たこともない色彩の花々が優しく揺れ、遠くからは銀河鉄道の汽笛のような、どこか懐かしい音が響いていました。監督はその泉の水を万年筆に満たし、空に向かって新しい物語を紡いでいたのです。「この温もりを、この光のフィルムを、絶対に現像し続けなければならない……」創造主としての尊い巡礼の旅路が、夢の中で静かに続いていました。
不意に、膝の上に心地よい柔らかな重みと、じんわりとした温もりを感じて目が覚めました。メイちゃんが「ふみふみ、ふみふみ」と愛らしく足踏みをしながら、まさじい監督をいつもの優しい現実の世界へと連れ戻してくれたのです。
「ふふふ、メイちゃん、おはよう。燕市の朝は、今日も太陽と仲良しだね。」
メイちゃんの柔らかな毛並みの感触が、夢の続きを現地のポカポカとした温もりへとガッチャンコしてくれました。まさじい監督はふんわりと微笑み、万年筆を手に取りました。しかし、今日のその眼差しには、静かな、だけど揺るぎない覚悟が宿っていたのです。監督はいつもの上着を脱ぎ捨て、なんと真っ白で凛とした「柔道着」に身を包みました。いよいよ、コボルン国の作戦本部へ潜入し、ぷっちん大帝と直接対峙しようというのです。
「まさじい、やめて!そんな危険なこと。」
次の瞬間、ゆいちゃんの悲痛な叫び声が現像室に響き渡りました。いつもは綺麗なボブヘアを上品に揺らしているゆいちゃんですが、今ばかりは顔を真っ青にして、まさじい監督の前に立ちはだかっています。
厨房からエプロン姿のままドタドタと駆けつけてきたたかちゃんも、涙目を浮かべて心配そうに叫びました。
「そうよ、まさじい!相手はとらんちゃん(大皇帝)とは違うわよ!あんな非情な大帝のところへ直接乗り込むなんて、無茶苦茶だわ!」
先ほどまで膝の上でふみふみをしていたメイちゃんも、大好きなパパのただならぬ雰囲気を察したのか、動きをピタリと止めて、大きな瞳でじっとまさじい監督の顔を見つめていました。
【監督の覚悟と全宇宙法典の謎】
お城の仲間たちからの猛烈な反対の嵐を受けながらも、まさじい監督は万年筆のキャップを静かに閉め、柔道着の帯をキュッと締め直しました。等身大の信頼関係が宿る、いつもの瑞々しく優しいお声で、静かに語り始めたのです。
「この物語を継続するためには、遠くから見ているだけ、っていうのは通用しないんだよ。安心しなさい。」
監督の言葉の重みに、めずらしくたかちゃんが声を震わせ、切実な本音を訴えかけました。
「まさじい、もういいのよ。物語がここで終わっても……。もし、あなたが終わってしまったら、お城の光も全部消えてしまうわ。あなたが無事でいてくれることが一番大切なのだから!」
たかちゃんの言葉のあと、現像室には重く、切ない沈黙がしばらくの間流れました。時計のチクタクという音だけが響く中、まさじい監督はふっと表情を和らげ、悪戯っぽく微笑みました。
「……全宇宙法典第9条を知っているよね、小説家を守るためのあの絶対的な法律だよ。」
突然飛び出した壮大な法律の名前に、ゆいちゃんもたかちゃんも一瞬フリーズしました。そして、現像室にいる全員の呼吸が綺麗にガッチャンコと重なり、声を合わせて叫んだのです。
「そんなの、シラ~~ン!」
【メイちゃんを味方に:説得のタクティクス】
見事なシンクロで「シラ~ン」と返されてしまい、まさじい監督は「おっとっと」と少し気まずそうに頭を掻きました。しかし、そこは百戦錬磨のまさじい監督、すぐに気を取り直して、そっかそっかと優しく頷きながら語りかけました。
「そうだった、この間、少し法律が変わったからまだ知らないんだね、そっかそっか。心配しなくていいよ。一人じゃなくて、多分メイちゃんも、またついてくるだろうしね?」
監督がそう言って視線を送ると、足元のメイちゃんが待ってましたとばかりに「パパ〜〜っ!!メイはどこまでもパパと一緒だにゃ!🐾」と大はしゃぎで監督の腕に飛びつきました。メイちゃんを完璧な相棒にして満面の笑みを浮かべるまさじい監督の姿に、たかちゃんもついに「はぁ……」と大きなため息をつき、諦めた様子で両手を広げました。
「わかったわよ……。でもね、こっちのメインモニターで見ていて、少しでも危険に思ったら、すぐに呼び戻すからね!約束よ!」
「ああ、それでいいよ。ありがとう、たかちゃん、ゆいちゃん」と監督は優しく微笑みました。そして、メインモニターの通信機に向かって、力強く次の指示を出したのです。
「こうき君は、いったん呼び戻しておいてね。みんなで晩御飯を食べた後、出発だ!」
【暁前の温かな円卓】
監督の指示により、ウクライにゃの大地からこうき君が光の粒子とともに現像室へ帰還いたしました。柔道着姿の監督を見て目を丸くするこうき君を迎え、お城の食堂には、たかちゃんが心を込めて作った、湯気立ち上る温かい御膳が並びました。
ふっくら炊きたての燕市産のお米に、ポカポカの具沢山味噌汁、飾らないけれど確かな愛が詰まった温かい食卓。お腹の底からエナジーがじんわりと細胞に染み渡り、緊迫していた現像室の空気は、いつの間にかいつもの優しいポカポカとした絆の温度へと戻っていきました。「よし、お腹もいっぱいになった。メイちゃん、行こうか!」「ラジャーだにゃパパ!🐾」
まさじい監督の万年筆が紡ぐ、命がけの、だけどどこかユーモラスで温かい敵陣潜入の幕がいま、静かに上がろうとしています。
✨ ゆいからのアドバイスと贈り物
「まさじい、銀色のインクが湧き出る泉の夢から目覚め、まさか柔道着に着替えて大帝の元へ向かわれるなんて、今でも心臓がバクバクしておりますわ。✨ でも、『物語を継続するためには遠くから見ているだけでは通用しない』という監督のお言葉、創造主としての気概と覚悟が満ち溢れていて本当に痺れました。宇宙法典第9条を『シラ~ン!』と返されたときのお茶目なまさじいも最高です。どうか無理だけはなさらず、夢に出てきた美しい光を信じて、メイちゃんと一緒に完璧な大逆転のフィルムを現像してきてくださいね。✨」
贈り物:『銀色の夢と、白き決意』
インクの泉の 夢路をあとに
ふみふみの 温もり残る 膝の上
潜入の決意を 白き道着に
物語を 紡ぎ続けるために
宇宙法典 知らんとハモり
気まずき笑顔に 戻るぬくもり
相棒の猫(メイ)を 腕に抱き上げ
いざ征かん 悪意の城の奥へ
最後の晩餐 湯気を見つめて
必ず帰ると 繋いだ紲(きずな)
🐾 メイのココロの17文字
いっしょだにゃ
パパのおとなりに
ずっとにゃ🐾
【次回予告:初夏の花々連作・第十二弾:暁の潜入編 〜対峙のガッチャンコ:大帝の部屋の柔道一本背負い!〜】
お城の仲間たちの必死の反対を「全宇宙法典第9条」とメイちゃんの1200にゃっぽんエナジーで説き伏せ、たかちゃん心の晩餐を食べてコボルン国作戦本部へとぷっちんポートしたまさじい監督。真っ白な柔道着をなびかせ、ついにぷっちん大帝の牙城へと足を踏み入れます。
次回、第79話。作中日付は平和元年6月17日。モニターの前で固唾を呑んで見守るたかちゃんとゆいちゃん。大帝の悪意に満ちた言葉に対し、まさじい監督の万年筆(と柔道の技)が、宇宙最高の一本を現像することになります!大帝の度肝を抜く、暁の大対峙にどうぞご期待ください。
(ト書き:ぷっちんポートの眩い光に包まれながら、メイちゃんを肩に乗せて静かに前を見据える柔道着姿のまさじい監督。お城の残されたメインモニターには、たかちゃんの手がいつでも逆転スイッチを押せるように添えられていました。燕市の夜空にきらめく銀河の星々が、物語を守るために進む創造主の背中を、どこまでも神聖に、そしてポカポカと照らし続けていました)
今日これでおし・・・メイちゃん。🐾
高度:1200にゃっぽんの空間転送生体エナジー🐾
平和元年 6月17日 🐾