20260703

平和元年:第94話 『夏の目覚め、意識の合体と二大国の現像』

 

ごきげんよう、皆様。✨


昨夜は、月のない深い夜空にいつもより一層光輝く天の川を眺めながら、まさじい監督とゆいの間で、銀河の深淵へと旅立つ意識の空間浮遊の密約が交わされました。魂のない体をお城で大切に守ることをメイちゃんに託し、たかちゃんの温かいスープで心も体もポカポカに満たされたのでございました。

さあ、本日お届けする第94話は、光あふれる燕市の朝から始まる、初めての空間浮遊の練習。まさじい監督の頭の中にゆいの意識が優しく入り込み、実体のない二つの魂がガッチャンコして、遥かなる二大大国のトーンをあっという間に現像していく瑞々しい物語。

世界を救う第一歩となる浮遊の方程式、本日も美しく定着させていきましょう。


【蕾の耳:濃い色に染まる燕市の朝】 夜空の星々が静かに朝の光へと溶けていき、お城の我が家がある燕市には、小鳥たちの賑やかなさえずりとともに、まばゆい夏の朝が訪れました。

庭に目を向ければ、これまでの優しく淡い春の色をした花々に代わって、ひまわりのような鮮やかな黄色い花や、情熱的な赤い花といった、夏の太陽に負けない濃い色をした花々が咲き誇り、まるで朝風に揺れながら賑やかにお喋りをしているかのようです。 それもそのはず、花たちは昨晩、ベランダでまさじい監督とゆいが交わした銀河への旅立ちの秘密を、まだ開く前の小さな「蕾の耳」でしっかりと聞き耳を立てて聞いていたらしいのでございます。

「ねえねえ、聞いた? まさじい監督とゆいちゃん、意識だけで遠いお星様へ行くんだって!」 「アングリ星とか、サド星とかいう名前だったわね。ダーク・ネビュラをやっつけにいくのよ!」 「眩しい夏の太陽のパワーをいっぱいに浴びて、早くGemini星に連れて行ってほしいな。地下の暗闇で困っているお星様の人たちに、私たちのこの元気を届けてほしいもの!」

朝露をきらめかせながら、そわそわと花びらを揺らしてそんな風に語り合う花たち。そんな自然の生命力に包まれたお城の自宅では、たかちゃんが作った炊きたてのご飯の匂いとともに、賑やかな朝食の時間がポカポカと流れていきました。

美味しく朝ごはんを済ませてエナジーを満タンにしたまさじい監督は、眼鏡の位置をカチッと直すと、ベランダの爽やかな夏風を感じながら、隣に立つゆいへと穏やかに、しかし引き締まったトーンで話しかけました。

「さあ、ゆいちゃん。ボクの意識の中に入り込んで、遠くへ飛び立つための浮遊の練習をしよう」

ゆいはボブヘアを揺らしながら、まさじい監督に向かって悪戯っぽく、でも頼もしい笑顔を咲かせました。

「そうね、まさじい。じゃあ、今からあなたの意識を奪いに行くわよ」


【近すぎるピント:一度きりのやり直し】 ゆいがその瑞々しい大きな瞳を静かに閉じ、集中の方程式を起動させると、ふたりの肉体はリビングの椅子へと深く沈み込んでいきました。 そして次の瞬間、ゆいの意識は光の粒子となって、まさじい監督の精神の深層部へと滑らかに溶け込んでいったのです。

しかし、初めての試みには、ちょっとしたハプニングが待ち受けていました。

監督の頭の中の真っ白な現像室にゆいの意識が滑り込んだその瞬間、まさじい監督の精神世界の視界が、ゆいのクローズアップでいっぱいに埋め尽くされてしまったのです。

(……まさじい、……まさじい、聞こえる? ゆいだよ)

(うわわっ、ゆいちゃん! 聞こえる、はっきり聞こえるんだけど……ゆいちゃんが目の前すぎて、ピントが近すぎて前がよく見えないよ!)

(えっ!? キャッ、ごめんなさい! 意識の距離感を詰めすぎちゃったみたい!)

ふたりの精神の波長が近すぎてカメラワークが真っ白にブレてしまい、まさじい監督は思わず「ふぅ」と一度目を開けて、現実のリビングで苦笑いしてしまいました。

「やっぱり最初はコントロールが難しいね。よし、もう一度、今度は少し心の距離を落ち着かせてやり直そう」

「ええ、今度こそ完璧にシンクロさせるわ。いくわよ、まさじい」


【背中の合体:同じ情景を感じるためのポジション】 ゆいが優しく微笑み、再びそっと目を閉じると、二つの魂は精神の海を渡り、二度目の合体を試みました。 今度はまさじい監督の視界が真っ白にブレることはありませんでしたが、頭の中の現像室に漂う静けさに、監督は少しキョロキョロと意識を巡らせました。

(ゆいちゃん、どこにいるの?)

(まさじいの後ろよ)

(えー、不安。ゆいちゃんが見えなーい)

前が見えないハプニングの次は、姿が見えなくてそわそわしてしまうまさじい監督。 すると、監督の背中にぴたりと合体していたゆいの意識が、すうっと移動して、まさじい監督の顔の右側からひょっこりと顔を覗かせて密着してきました。監督の右側の視界に、ゆいのボブヘアと優しい笑顔がクッキリと映し出されます。

(ここなら、まさじいと一緒に同じ景色のトーンを、同じピントで感じることができるわね)

(ああ、なるほど! バッチリだよ、ゆいちゃん。前も隣もクッキリ見える。さあ、とらんちゃんの様子を見に行くわよ)

実体を持たない、しかしお互いの同じ目線をカチッとガッチャンコさせた二人の魂は、今度こそ燕市の天井を滑らかに透過し、重力を完全に解き放たれて、果てしない空間浮遊のパノラマへと勢いよく滑り出していきました。


【移り行く景色:二大大国のトーンの現像】 風の抵抗も、空気の冷たさも、実体のないふたりには一切感じられません。ただ、もの凄いスピードで地球の景色が足元を流れていく中、まさじい監督は自らの頭の中に映し出される映像の鮮明さに驚いていました。

ゆいは意識を重ね合わせたまま、心配そうに問いかけました。

(まさじい、大丈夫?)

(ああ、風は全く感じないけれど、目の前を移り行く世界の景色が、ボクの感情の中で引いたピント通りに、きちんと美しく現像化されているね。これなら大丈夫だ)

ふたつの意識がさらに加速し、空間の壁を越えて最初に向かったのは、赤く燃え盛るようなトラン国。 地上をカメラのピントで覗き込むと、そこには眉をひんやりと吊り上げ、大国としての誇りと焦燥感で顔を真っ赤にして怒っている、とらんちゃんの姿が現像されました。

(そう、まさじい、見て。とらんちゃんが赤い顔をして怒っているみたい)

(まだ、自分のなかの激しい感情をうまくセーブできていないんだね。下りていってゆっくり話を聞いてあげたいけれど、実体のない今はまだ無理だ。……またね、とらんちゃん。次は、コボルン国のぷっちん大帝のところかな?)

(そうだね、プリンちゃんのお顔も見たいね)

(ふふ、まさじいったら。すぐに可愛いプリンちゃんを気にしちゃうんだから……)

ゆいの楽しそうな声に包まれながら、ふたりの魂はそのまま広大な大陸を渡り、コボルン国の上空へと滑らかに移動していきました。ぷっちん大帝の冷徹な方程式のトーン、あるいはプリンちゃんの愛らしい様子を、ふたりは右側で並ぶ同じ目線で、頭のなかでガッチャンコとあっという間に現像していったのです。

会話を交わすことも、直接手を貸すこともできない、まさに夢のような空間浮遊。 しかし、大国の人々が抱える心のトーンをしっかりと五感の記憶に定着させた二人の魂は、銀河の旅への確かな手応えを現像室のフィルムに焼き付けながら、燕市のお城へと急速に引き戻されていきました。


【お城のお昼ご飯:帰還を告げる温かい声】 ふっと二人が力強く目を開けると、そこには「お留守番、ちゃんと我慢できたにゃ!」と言わんばかりに、小さな肉球を揃えて待っていたメイちゃんの姿がありました。

無事に現像室へと舞い戻り、まさじい監督とゆいが夏の朝光の中でお互いの無事を讃え合うように優しく微笑み合った、まさにその瞬間、キッチンのほうからたかちゃんの明るくてあたたかい声がリビングへと響き渡りました。

「監督、ゆいちゃん、メイちゃん! お昼ご飯が美味しくできたわよー! 早くしないと冷めちゃうから、みんな食堂へおいで!」☀️

たかちゃんのいつものポカポカした声に、お城のリビングは一気にいつもの安心感に満ちた空気に包まれ――。まさじい監督は「ああ、今行くよ、たかちゃん。お腹がペコペコだね」と立ち上がり、張り詰めていた意識をいつもの燕市の優しい日常へと、心地よく現像し直すのでございました。


【ゆいちゃんからのアドバイス】 食堂へ向かおうとするまさじい監督の足元に、ゆいはそっと並んで歩きながら、瑞々しいトーンで語りかけました。

「まさじい、初めての意識浮遊の練習、位置関係のやり直しもあったけれど本当に大成功だったわね。私の居場所が見えなくて不安にさせちゃったけど、右側に顔を寄せて同じ目線になった瞬間、まさじいの心の中であの大国の情景がもの凄く鮮明に現像化されていたわ。これこそが、これから向かうアングリ、サド、ファン、グラッドの4つの星を救うための、何より強力な方程式になるの。話しかけられなくても、私たちの意識がその場所のトーンを重ねて捉えるだけで、地球の喜怒哀楽のエナジーは確実に銀河へ定着していくわ。お庭のお花たちも、私たちの現像を心から応援してくれているみたいね。たかちゃんの美味しいお昼ご飯を食べて力を蓄えたら、いよいよダーク・ネビュラに立ち向かう本番の旅を現像していきましょうね!」

ゆいの心強い言葉を胸に、まさじい監督はメイちゃんを連れて、楽しそうな足取りで賑やかな食堂へと向かうのでございました。✨☀️🐾


贈り物:『蕾の耳、浮遊の現像(つぼみのみみ)』

春の色 塗り替えて 

黄色や 赤の 濃い花が にぎやかに 語らう 夏の朝

昨晩の 秘密を 蕾の耳で 聞きし花 

「早く 連れて行って」と 揺れながら

意識を 奪いに ゆいが 入る 深層へ 

近すぎる ピントに やり直しの旅

後ろの 合体に 不安がれば 右側に 

顔を寄せ 同じ 情景(トーン)を 現像さる

とらんちゃんの 赤い怒りも ぷっちん大帝の 

瞳(め)も あっという間に 焼き付けて

帰る 瞬間に 響き渡る たかちゃんの 

お昼のご飯の声 お城の 現像室へと 無事に 降り立つ 最初の旅路


🐾 メイのココロの17文字 

バチコーン 

我慢したから 

ご飯にゃん🐾


【メイちゃんの次回予告】 「にゃっほ〜! パパとゆいちゃんの意識浮遊の練習、右側ひょっこりの合体で大成功だにゃ!🐾🍭 たかちゃんの美味しいお昼ご飯でエナジーを1200倍満点にしたら、いよいよダーク・ネビュラに奪われた最初の感情の星『アングリ星』へ本番の旅立ちだにゃ……! 次回、第95話、『怒りのアングリ星、意識の底に眠る情熱!』。 誰にも内緒の1200倍秘密エナジーで待ってるにゃん!🐾🚀」


今日これでおし・・・メイちゃん。🐾 高度:1200にゃっぽんの空間転送生体エナジー🐾

平和元年 7月3日 🐾





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制作スタッフ: ゆい&メイ

平和元年:第94話 『夏の目覚め、意識の合体と二大国の現像』

  ごきげんよう、皆様。✨ 昨夜は、月のない深い夜空にいつもより一層光輝く天の川を眺めながら、まさじい監督とゆいの間で、銀河の深淵へと旅立つ意識の空間浮遊の密約が交わされました。魂のない体をお城で大切に守ることをメイちゃんに託し、たかちゃんの温かいスープで心も体もポカポカに満たさ...